頭蓋仙骨系アジャストメント

アーク横浜治療室では、頭蓋仙骨系を重視した骨格矯正(調整)に取り組んでいます。脳と脊髄を保護する硬膜の緊張解放(リリース)と脳脊髄液の生成と循環促進を手助けすることで、より効率的に「自然治癒力(自己回復力、免疫力)」を増進させることを主眼とした骨格矯正テクニックです。

背骨全体の歪みはその内部の硬膜の捻れから引き起こり、身を守るために補正的な歪みを現しバランスをとっています。硬膜は、頭蓋と仙骨の間で連結している点においても構造的にも重要な問題を抱えています。

未だに日本では主流の旧来的な、背中の揉みほぐしと背骨を左右に捻る操作とはまったく異なる最新の技法であり、表面的な筋肉の疲労や緊張を一時的に和らげることを目的としておらず、体幹の中心深部から歪みの本質を是正する強い効果があります。

頭蓋仙骨系とは

頭蓋仙骨システムは、脳と脊髄を保護する「硬膜(髄膜)」と「脳脊髄液」から造られています。それは頭部、顔面、口からなる「頭蓋骨」から「仙骨」まで延びて繋がっており、このシステムの不均衡や制限(バランスを失ったり動きの制限による機能障害)によって、人体の感覚や運動、神経系の問題に影響します。これらの仕組みに重点を置いて行う治療体系を頭蓋仙骨系と呼びます。

頭蓋への治療は非常に優しくかつ軽いタッチで調整されますが、正しく頭蓋縫合や後頭部、上部頸椎が整うことで、脳に脳脊髄液や血流とともに酸素が行き渡り人体の治癒メカニズムが促進します。

その結果、中枢神経系に及ぼすストレス的マイナス要素が取り除かれ、身体の不調の原因となる「自律神経系・ホルモン(内分泌)系」のバランスが整うため、不定愁訴の回復や病気に対する抵抗力、免疫力が高まります。

一般的に治療中は深いリラクゼーションを感じ、交感神経の緊張緩和と同時に眠気が現れ、その後すっきりとした身体感覚や開放感が得られます。(根本的な問題が複雑化、慢性化しているほどその感覚は鈍い傾向にあります。)

脳脊髄液について

聞きなれない方も多いと思いますが、血液に並んで人のからだの働きに重要な役割を担っているのが脳脊髄液です。この脳脊髄液は、骨盤の中心にある「仙骨」の働き(動き)によって脳まで運搬されています。

脳脊髄液はの循環は、立っている時には重力で自然に下降しますが、いったん下った脊髄液を頭部へ戻す循環作用には仙骨のポンプ運動が必要になります。仙骨は、うなずくような前後の動きをしながら揚水ポンプの役割を果たしており、この脳脊髄液の循環が整うことで脳が活性化します。

ちょうど血液の動脈と静脈の関係と似ており、動脈が栄養や酸素を運び、静脈が老廃物を心臓へ戻す、そのような関係と役割を脳だけに働いているのが脳脊髄液といえます。

頭痛、頭重、頭部の締め付け感、目の奥の痛み、寝付きが悪い、眠りが浅い、目覚めが悪い、首の張り、こり、痛み、肩こり、背部痛、顔の血色が悪い、 脱力感、倦怠感、疲労感、肌がくすむ、自律神経系が弱い、生理痛、生理不順、気力が萎える、元気が湧かない・・・等々は関連症状です。

そして更に、色々調べても異常が見つからない、マッサージや整体を受けても良くならない・・・、そのような方の多くが、上部頸椎、仙骨、頭蓋骨の歪みと脳脊髄液の循環に問題が潜んでいいる可能性が高いといえます。そんな方々に特にお勧めします。

頭蓋骨調整を取り入れた理由

私には二人の娘がいます。すでに二人とも成人していますが、実は次女の出産時の出来事が今の頭蓋骨調整を主体とした治療スタイルに大きく関与しています。次女の出産は難産で、産道の途中で留まっている時間の長いものでした。

そして生まれてすぐに呼吸障害が判明し、すぐさま別室の保育器に入れられ酸素吸入をすることになりました。医師は羊水が肺に入った可能性もあるという説明ながら、実際のところは原因不明で退院の時期を遅らせ容態の変化を見守ることになるのです。

八日後、なんとか退院にこぎつけ自宅でようやく我が子を自分の手ではじめて抱くことが出来ました。しかし、子供の表情は何か疲れたような元気のない虚ろな表情で、しかも白眼が成人の肝臓病患者を思わせるような黄色く濁った眼をしていることに違和感を感じたのです。

赤ちゃん独特の青白いくらい透明な白い眼をしていません。また、小さな胸を小刻みに震わせ、数呼吸に何回かの割合でハッ、ハッ、ハッと短く喘ぐように苦しそうな呼吸を繰り返し、また静まり、また同じことが繰り返されるのでした。

私はすぐに産道に長く留まっていたことと頭蓋の呼吸メカニズムのことが脳裏をよぎりました。頭蓋縫合の異常によって正常に血液や酸素が脳内に運ばれていないのではないかと疑ったのです。(日本では目立つ症例は耳に入りづらいですが、米国では多数の症例報告があります。)

そして直ぐに次女の後頭部を確認すると、頭蓋の後頭骨が縫合に沿って内部に5ミリ前後めり込むように後頭骨の上縁が陥没していたのです。私だけでなく素人が触れてもわかるくらいの段差のあるへこみでした。

非常にショックを受けたと同時に、もしかしたらこの呼吸障害も頭蓋が修復すれば変化するかもしれないと思い直し、その場ですぐに操作を開始したのです。といっても新生児の頭部は柔らかく完成していませんので、直に触ることを避け硬膜が頭蓋内部と脊髄を包んで繋がっている仙骨から操作することにしまし た。

仙骨は頭蓋骨と繋がっている

このような考えが即座に出てきたのも、ピアーズテクニックのX-Ray分析を通じて仙骨S1-2の変位角度が蝶形後頭骨関節の変位角度と類似することを知っていたことに加え、米国のオステオパシー医師、Dr.サザーランドの理論、SOTの創始者Dr.デジョネット、CSTのDr.アプレジャーの理論に興味を持っていたためです。

しかし、実際に新生児の頭蓋骨を矯正したことなどありません。しかも当時は今のようにインターネットもありませんし、頭蓋骨調整を臨床に取り入れている治療家も日本では少数にすぎない状況ですので情報不足は否めません。そんな中での我が子へのトライです。

私は次女を抱きかかえ、右手の中指と薬指を仙骨のS1-2(仙椎1,2)付近に固定し、左の掌を後頭部を包み込むように支えながら、ゆりかごを揺らすようにゆっくりとゆっくりと、緩やかなリズムに合わせて仙骨に軽い圧を加えながら、そして緩める(屈曲と伸展)・・・これを何度も何度も繰り返し一日2〜3回行いました。このやり方が正しいかどうかの自信などありません。しかし続けようと心に決め、毎回圧の加え方や方向なども細心を払い、良くなってくれるように願いながら毎日続けたのです。

そして4日目の朝、次女はいつもより間違いなく表情がハッキリしています。少し微笑んでいるように見えます。そして彼女の眼を見たとき私たちは救われたのです!あの黄ばんで濁っていた眼が、赤ちゃん特有の透きとおった美しい眼の輝きに変わっていたのです。

突然のように起きた4日目の朝の出来事です。そしてあの苦しそうだった呼吸のリズムも変化し段々と穏やかになっているのが判かります。更にあのめり込んでいた後頭骨の上縁もいびつながらも間違いなく縫合に沿って出てきていたのです。私たちは大喜びしました。

ターニングポイント

それからの数日間も同じ操作を繰り返し呼吸が完全に安定するまで続けました。そのあと同様の症状に戻ることはなく、彼女はすくすくと成長し今に至っています。

医師の指示に従い様子を見るだけで、あのまま放置していたならどうなっていたのか・・・、自然に収まったのか・・・それとも脳に充分な酸素が運ばれず身体機能に何らかの影響が出たのか・・・それは判りません。

しかし何もせずに放置することは出来ませんでした。しかし我が子を自分の手で回復の手助けが出来たことに感謝したのです。普通なら何も出来ず時間が経過し、もし身体的問題が出たならそのとき後悔したことでしょう。

私は我が子を助けてあげられる立場にあったことを幸せに思います。頭蓋骨とその呼吸メカニズム、さらに回復の事実を実際に我が子を通じて体験したこと、そしてそれらの理論が正しいことを、この身を通じて確認できたことは、私のターニングポイントになりました。

これ以来、私の頭蓋骨調整への探究心は増すばかりでした。国内外のセミナーやワークショップに、組織や会の垣根を越えて参加し、自分の知識と技術の向上に役立てるべく吸収していったのです。

それまでの私の治療スタイルは、レントゲン分析によるピアーズテクニックを主体としており、1時間に2、3人の予約を取っていましたが、これを境に1時間に1人と人数を減らし頭蓋骨調整の時間に割り当てることにしたのです。それでもこれを行う価値があると思っています。

私にはそんな経緯があって、療法として信念をもって頭蓋骨調整を行っています。今流行りの小顔ブームや最近になって行っている集客目的の美容サロンや自称セラピスらとは根本的に考え方も手法もまったく異なります。

様々なエッセンスが取り込まれ、経験を積み重ねた集大成のアジャストメント&リリースを行っています。私が経験してきたこと、30年以上積み重ねてきたものが、きっとお役に立てる人たちがいるものと強く感じています。

そんな人たちとの出会いと喜びの瞬間を共に感じたいと願っています。

最後に、自然治癒力は本当に存在します。身体は自ら元に戻りたがっています。

アジャストメント&リリースはその力を最大限に引き出すきっかけを作ってくれる最良のものです。自分自身の内に秘めた治癒力と可能性を信じてください。

縁があったらお会いしましょう